マリアナの海

ウナギはマリアナから

ウナギはどこで生まれるの?

 30年以上の長きにわたって続けられているウナギの種苗生産研究。まずは、その生まれからご説明しよう。

 うなぎの生まれる場所は、長い間フィリピン海溝付近の海域だといわれていた。しかしながら2006年、東京大学の研究所によってサイパン近海のマリアナ海溝にあるスルガ海山付近である事をほぼ特定されました。さらに、孵化後2~3日と思われる仔魚を採取。その遺伝子から、ニホンウナギである事が確認されました。

 さらに、2008年6月そして8月には、水産庁ならび総合研究センター調査チームが、同じくサイパン近海のマリアナ諸島沖の水深200~350メートルの範囲で、成熟したニホンオオウナギとオオウナギの捕獲に成功しました。これは世界で初の快挙です。
 雄には成熟した精巣が、雌には産卵後と推定される収縮した卵巣が認められ、また、水深100~150メートルの範囲で、孵化後2~3日経過したと思われる仔魚(レプトケファルス)が、26匹も採集されました。これにより、冬に産卵するという従来の説は誤りとされ、現在は6~7月の新月の日に一斉に産卵するという説が有力です。

 幼生である、レプトケファルスが生息する層の水温が、摂氏26.5~28度であることを初めて確認しました。この結果から、比較的浅いスルガ海山の山頂付近ではなく、もう少し深い中層を遊泳しながら産卵をしているという推定を得ることができました。     
 
 この推定を基に、さらに研究チームが周辺海域を調査した結果、2009年5月にマリアナ海嶺の南端近くの水深約160メートル、水温が摂氏約26度の海域で、直径約1.6ミリメートルの受精卵とみられるものを発見。遺伝子解析の結果、天然卵31個を確認。これも世界初でした。
同時に、卵は水深約200メートルで産まれ、約30時間かけてこの深さまで上がりながら孵化することも判明しました。

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